家を担保にお金を借りる方法とは?住宅ローン返済中でも可能か解説

家を担保にお金を借りる方法とは?住宅ローン返済中でも可能か解説 マネーリテラシー

まとまったお金が必要になったとき、持ち家が頭に浮かぶ人は多いはずです。家を担保にお金を借りる方法は、大きく分けて3つあります。不動産担保ローン、リバースモーゲージ、そして売却して住み続けるリースバックです。それぞれ仕組みも、向いている人も違います。

この記事では、家を担保にお金を借りる方法の選び方を、初心者向けに整理しました。借りられる金額の目安、金利の相場、住宅ローン返済中や親名義の家で借りられるのかまで、2026年10月時点の情報で解説します。家を失うリスクと、その回避策もあわせて確認してください。

  1. 家を担保にお金を借りる方法は何があるのか?
    1. 不動産担保ローンとは?
    2. リバースモーゲージとは?
    3. リースバックは「借りる」ではなく「売る」方法とは?
  2. 家を担保にするといくらまで借りられるのか?
    1. 借入上限が担保評価額の6〜7割になる理由とは?
    2. 評価額はどのように決まるのか?
    3. 住宅ローンの残債があると借入額はどう減るのか?
  3. 家を担保にすると金利はどのくらいなのか?
    1. 不動産担保ローンの金利相場とは?
    2. 2026年の政策金利引き上げで変動金利はどうなるのか?
    3. 消費者金融やカードローンより低くなる理由とは?
  4. 住宅ローン返済中でも家を担保にお金を借りられるのか?
    1. 第2順位の抵当権で借りる仕組みとは?
    2. 借入額がゼロと判断されるケースとは?
    3. 住宅ローンの借り換えと同時に借りる方法とは?
  5. 親名義・共有名義の家でもお金を借りられるのか?
    1. 親名義の家を担保にする条件とは?
    2. 共有名義で共有者の同意が必要な理由とは?
    3. 名義人以外が借入人になれるケースとは?
  6. 家を担保にお金を借りるときの審査では何を見られるのか?
    1. 担保物件の審査で見られる項目とは?
    2. 本人の収入・信用情報で見られる項目とは?
    3. 年金収入のみでも審査に通るのか?
  7. 申込から入金までの流れはどうなっているのか?
    1. 必要書類と準備の順番とは?
    2. 審査にかかる日数の目安とは?
    3. 登記・契約時にかかる諸費用とは?
  8. 家を担保にお金を借りるリスクとは?
    1. 返済できないと家を失う仕組みとは?
    2. 変動金利で返済額が増えるリスクとは?
    3. 担保価値の下落で追加返済を求められるケースとは?
  9. リバースモーゲージとリースバックはどちらを選ぶべきか?
    1. 返済方法の違いで比較するとどうなるのか?
    2. 相続・家族への影響で比較するとどうなるのか?
    3. 年齢・目的別に向いている手段とは?
  10. 公的制度で家を担保に借りる方法はあるのか?
    1. 社会福祉協議会の不動産担保型生活資金とは?
    2. 住宅金融支援機構のリ・バース60とは?
    3. 民間ローンとの金利・条件の違いとは?
  11. 家を担保に借りる前に確認すべきポイントとは?
    1. 借入目的と返済原資を整理する方法とは?
    2. 複数の金融機関で仮審査を受けるべき理由とは?
    3. 家族・相続人に事前相談が必要な理由とは?
  12. 家を担保に借りるのをやめた方がいい人とは?
    1. 返済計画が立たない状態で借りるとどうなるのか?
    2. 売却した方が有利になるケースとは?
    3. 借入以外で資金を確保する選択肢とは?
  13. 家を担保にお金を借りることに関するよくある質問
    1. 担保に入れた家に住み続けられますか?
    2. 自営業や無職でも借りられますか?
    3. 築年数が古い家やマンションでも担保になりますか?
    4. 不動産担保ローンは総量規制の対象ですか?
    5. 途中で一括返済すると手数料はかかりますか?
  14. まとめ
    1. 参考文献

家を担保にお金を借りる方法は何があるのか?

「家を担保にする」と聞くと、1つの商品を思い浮かべがちです。実際には、仕組みの違う3つの方法があります。返し方と、家の所有権がどうなるかで分かれます。まずは全体像をつかみましょう。

方法 所有権 返し方 主な対象
不動産担保ローン 自分のまま 毎月、元金と利息 収入のある人
リバースモーゲージ 自分のまま 生前は利息のみ、死後に一括 55歳〜65歳以上
リースバック 業者に移る 返済なし、家賃を払う 年齢不問

不動産担保ローンとは?

不動産担保ローンは、家や土地に抵当権を設定して借りるローンです。抵当権とは、返せなくなったときに金融機関がその家を売ってお金を回収できる権利のことです。家の所有権は、あなたのまま変わりません。

借りたお金は、毎月、元金と利息を返していきます。住宅ローンと似た形です。違いは使いみちです。事業資金、教育費、医療費、他の借入の整理など、幅広く使える商品が多い点が特徴です。返済能力、つまり収入が審査の軸になります。

リバースモーゲージとは?

リバースモーゲージは、高齢者向けの借入です。自宅を担保に入れ、生きている間は利息だけを払います。元金は、借りた人が亡くなったあとに自宅を売って一括で返します。

住み続けながらお金を受け取れる点が魅力です。年金のように毎月受け取る型と、一括で受け取る型があります。ただし、自宅を子どもに残す前提では使えない商品です。相続人の同意を求める金融機関がほとんどです。

リースバックは「借りる」ではなく「売る」方法とは?

リースバックは、自宅を不動産会社に売却し、その後は家賃を払って同じ家に住み続ける取引です。正確には「借りる」方法ではありません。所有権が業者に移ります。

返済はありません。その代わり、家賃が毎月発生します。国土交通省の事業者調査では、買取価格は相場の6〜7割と答えた業者が最も多い結果でした。手元に残る現金は、普通に売るより少なくなると考えてください。担保に入れるのが難しい人や、年齢で他の方法が使えない人の選択肢になります。

家を担保にするといくらまで借りられるのか?

いちばん気になるのは金額でしょう。家の価値がそのまま借入額になるわけではありません。担保評価額の6〜7割が上限の目安です。評価額の決まり方と、住宅ローン残債の影響を知っておくと、現実的な金額が見えてきます。

借入上限が担保評価額の6〜7割になる理由とは?

金融機関は、返せなくなったときに家を売って回収します。そのとき、相場どおりに売れる保証はありません。価格が下がっているかもしれません。競売なら、さらに安くなります。

だから金融機関は、評価額に「掛目」をかけます。掛目は一般に60〜70%です。評価額3,000万円の家なら、借入上限は1,800〜2,100万円になる計算です。掛目は物件の種類や金融機関で変わります。マンションや地方の物件は低めに設定されがちです。

評価額はどのように決まるのか?

評価額は、金融機関が独自に算出します。土地は路線価や公示地価を参考にします。建物は築年数で大きく下がります。木造なら築20年を超えると、建物の評価はほぼゼロになるケースもあります。

つまり、土地の価値が借入額を左右するということです。駅から遠い、再建築ができない、市街化調整区域にある。こうした土地は評価が伸びません。自分の想定より低い評価が出ることは珍しくありません。

住宅ローンの残債があると借入額はどう減るのか?

住宅ローンが残っている場合、先に住宅ローンの金融機関が抵当権を持っています。新しく借りる金融機関は、その残債を差し引いて考えます。

計算はこうです。評価額3,000万円、掛目70%なら枠は2,100万円です。住宅ローンが1,500万円残っていれば、借りられるのは差額の600万円程度です。残債が枠を上回れば、借入額はゼロになります。残債の確認が、最初にやるべき作業です。

家を担保にすると金利はどのくらいなのか?

借りられるとわかったら、次は金利です。家を担保にすると、無担保より低い金利で借りられます。ただし商品ごとの差が大きい分野です。2026年は政策金利が上がった年でもあります。変動金利を選ぶ人ほど、今の相場を知っておく必要があります。

不動産担保ローンの金利相場とは?

2026年10月時点の不動産担保ローンの金利は、おおむね年1%台後半から年9%前後です。銀行は低め、ノンバンクは高めの傾向があります。同じ金融機関でも、物件と借りる人の条件で幅があります。

取扱先 金利の目安 特徴
銀行 年1.7〜4%台 審査が厳しめ、日数がかかる
ノンバンク 年3〜9%台 審査が柔軟、回答が早い

金利の下限だけで選ぶと失敗します。 自分に適用される金利は、審査を受けて初めてわかります。

2026年の政策金利引き上げで変動金利はどうなるのか?

日本銀行は2026年6月に政策金利を年0.75%から年1.00%へ引き上げました。不動産担保ローンの多くは変動金利です。変動金利は短期プライムレートに連動します。政策金利が上がれば、数か月遅れて借入金利も上がります。

たとえば1,000万円を20年で借りた場合を考えます。金利が1%上がると、毎月の返済は約5,000円増えます。総返済額では100万円以上の差です。今の金利で返せるかではなく、1〜2%上がっても返せるかで判断してください。固定金利の商品も比較対象に入れましょう。

消費者金融やカードローンより低くなる理由とは?

カードローンの金利は年15〜18%が一般的です。不動産担保ローンはその数分の1です。理由は単純です。家という担保があるので、金融機関の貸し倒れリスクが小さいからです。

もう1つ理由があります。不動産担保ローンは貸金業法の総量規制の例外です。年収の3分の1という上限がかかりません。この扱いは2026年10月時点でも有効です。高額を長期で借りたいなら、担保ローンの方が設計しやすいといえます。

住宅ローン返済中でも家を担保にお金を借りられるのか?

「ローンがまだ残っているから無理」と思い込んでいる人は多いです。結論からいえば、残債があっても借りられる可能性はあります。ただし条件があります。仕組みを知れば、自分が該当するかすぐに判断できます。

第2順位の抵当権で借りる仕組みとは?

抵当権には順位があります。住宅ローンの金融機関が第1順位です。新しく借りる金融機関は第2順位になります。家を売って回収する場面では、第1順位が先に全額を受け取ります。

第2順位は残りからしか回収できません。だから第2順位での融資は、金融機関にとってリスクが高めです。銀行は第2順位を嫌う傾向があり、ノンバンクは対応するところが多いという違いが出ます。金利も第1順位より高くなりがちです。

借入額がゼロと判断されるケースとは?

評価額から残債を引いた額が小さいと、融資は出ません。買ってから日が浅い家は、残債が多く評価額に近いことがよくあります。この場合、借入枠はほぼ残りません。

もう1つの落とし穴があります。住宅ローンの金融機関が、根抵当権を設定しているケースです。根抵当権は、極度額まで繰り返し借りられる枠型の抵当権です。残債が減っていても、極度額のまま計算されることがあります。登記簿で抵当権の種類を確認してください。法務局で取れる登記事項証明書に、順位と金額が書かれています。

住宅ローンの借り換えと同時に借りる方法とは?

残債を抱えたまま第2順位で借りるより、まとめた方が有利なことがあります。住宅ローンの残債と新たに必要な資金を合算し、1本の不動産担保ローンに借り換える方法です。

この方法なら、新しい金融機関が第1順位になります。審査は通りやすく、金利も抑えやすくなります。ただし注意点があります。住宅ローンの低金利を手放すことになるからです。住宅ローンが年0.5%で、借り換え後が年3%なら、残債部分の利息が増えます。差額を必ず試算してください。

親名義・共有名義の家でもお金を借りられるのか?

実家を担保にしたい。夫婦共有の家を担保にしたい。こうした相談は多いです。答えは「条件つきで可能」です。名義人全員の同意と手続きが欠かせません。ここを曖昧にしたまま進めると、審査の途中で止まります。

親名義の家を担保にする条件とは?

親名義の家を子どもが担保に入れるには、親が「物上保証人」になる必要があります。物上保証人とは、自分は借りないが、自分の財産を担保として差し出す人のことです。

親が契約の場に立ち会い、意思確認を受けます。認知症などで判断能力に不安があると、契約はできません。金融機関は、親の年齢や健康状態も確認します。親が高齢なら、早めに動いた方がよいでしょう。親自身が借りる形にする選択肢もあります。

共有名義で共有者の同意が必要な理由とは?

夫婦で2分の1ずつ持っている家は、片方だけでは担保に入れられません。自分の持分だけを担保にする方法は理屈上ありますが、金融機関はまず受け付けません。持分だけでは売却が難しいからです。

共有者全員が担保提供者として契約に加わります。離婚協議中、兄弟間で関係がこじれている。こうした状況では、同意が取れず融資に進めないケースが実際にあります。先に話し合いを済ませておくことが、審査を早める近道です。

名義人以外が借入人になれるケースとは?

借りる人と家の持ち主が違っても、融資は組めます。先ほどの物上保証の形です。親の家を担保に、子どもが事業資金を借りる。配偶者の家を担保に、本人が借りる。こうしたケースが該当します。

ただし、金融機関によって扱いが分かれます。配偶者や2親等以内の親族までと範囲を決めているところが多いです。第三者の家を担保にするのは、原則として認められません。申込前に、その金融機関の担保提供者の範囲を確認してください。

家を担保にお金を借りるときの審査では何を見られるのか?

担保があれば審査は通る。そう思われがちですが、実際は2つの審査があります。物件の審査と、本人の審査です。どちらか一方が弱くても、もう一方でカバーできる場合があります。何を見られるのか、順番に確認します。

担保物件の審査で見られる項目とは?

物件の審査では、次の点を確認します。

  • 所在地と最寄り駅からの距離
  • 土地の形状、接道、再建築の可否
  • 建物の構造と築年数
  • 登記上の権利関係(抵当権、借地権など)
  • 法令上の制限(市街化調整区域、用途地域)

接道義務を満たさない土地や、借地権つきの建物は評価が大きく下がります。 マンションは、築年数とエリアで対象外になることもあります。事前に登記事項証明書と固定資産税の納税通知書を手元に置いてください。

本人の収入・信用情報で見られる項目とは?

本人の審査は、返済能力の確認です。年収、勤務先、勤続年数、既存の借入額を見ます。さらに信用情報機関に照会し、延滞や債務整理の履歴を調べます。

直近2年以内に延滞があると、担保があっても否決されやすいです。ノンバンクは柔軟な場合もありますが、金利は高くなります。収入は、給与だけでなく家賃収入や年金も含めて見てもらえます。源泉徴収票や確定申告書を2〜3年分用意しましょう。

年金収入のみでも審査に通るのか?

年金だけでも、不動産担保ローンの審査に通る可能性はあります。ただし、完済時の年齢に上限があります。多くの金融機関が80歳前後を上限にしています。70歳で借りれば、返済期間は10年程度です。

毎月の返済額は、その分大きくなります。年金額で払いきれるかが焦点です。年金収入のみで高額を借りたいなら、リバースモーゲージの方が現実的です。利息のみの返済なら、年金で払える範囲に収まりやすいからです。

申込から入金までの流れはどうなっているのか?

全体像がつかめたら、実際の手順を知りたくなるでしょう。不動産担保ローンは、カードローンより時間がかかります。早くて1週間、通常は2〜4週間が目安です。急いでいる人ほど、書類の準備で差がつきます。

必要書類と準備の順番とは?

書類は「本人のもの」と「物件のもの」に分かれます。

区分 書類 入手先
本人 本人確認書類、源泉徴収票または確定申告書 勤務先、税務署
本人 住民票、印鑑証明書 市区町村役場
物件 登記事項証明書 法務局
物件 固定資産税納税通知書、評価証明書 市区町村役場
物件 住宅ローンの返済予定表 借入先の金融機関

法務局と役場は平日しか開いていません。 先にこの2か所の書類を集めておくと、申込後がスムーズです。

審査にかかる日数の目安とは?

流れは、仮審査、本審査、契約、融資実行の順です。仮審査は書類の提出なしで、数日で回答が出ます。本審査では、金融機関の担当者が物件を実際に見に来ます。

取扱先 仮審査 本審査から入金
銀行 2〜5営業日 2〜4週間
ノンバンク 即日〜3営業日 1〜2週間

入金の期日が決まっているなら、逆算して1か月前には動き出すのが安全です。

登記・契約時にかかる諸費用とは?

借入額とは別に、費用がかかります。見落とすと、手元に残る額が想定より減ります。

  • 抵当権設定の登録免許税:借入額の0.4%
  • 司法書士報酬:5〜10万円程度
  • 事務手数料:借入額の1〜3%、または定額
  • 印紙税:借入額に応じて数千円〜数万円
  • 不動産調査費用:金融機関による

事務手数料は、金融機関で大きな差が出る項目です。金利が低くても手数料が高ければ、総コストは変わりません。見積書で合計額を比べてください。

家を担保にお金を借りるリスクとは?

ここまで読んで、借りる方向に気持ちが傾いているかもしれません。だからこそ、リスクを正面から見ておきましょう。担保ローンの失敗は、取り返しがつきにくいです。3つのリスクを、回避策とセットで押さえます。

返済できないと家を失う仕組みとは?

返済が滞ると、金融機関はまず督促をします。それでも払えないと、期限の利益を失います。残額を一括で請求される状態です。その後、金融機関は抵当権を実行します。裁判所を通じた競売か、任意売却です。

競売の落札価格は、相場の6〜7割が一般的です。売却後も残債があれば、家を失ったうえに借金が残ります。 回避策は1つです。収入が減っても払える返済額にしておくこと。返済負担率は手取りの25%以内が目安です。

変動金利で返済額が増えるリスクとは?

変動金利は、半年ごとに見直されます。2026年は政策金利が年1.00%まで上がっています。この先も上がる可能性があります。返済額が固定でも、金利が上がると元金の減りが遅くなります。

対策は3つあります。

  • 固定金利型の商品と総返済額を比べる
  • 金利が2%上がった場合の返済額を事前に計算する
  • 余裕があるときに繰り上げ返済で元金を減らす

金利上昇時に繰り上げ返済できる現金を残しておくことが、現実的な守りになります。

担保価値の下落で追加返済を求められるケースとは?

これはリバースモーゲージで起きやすいリスクです。借入枠は担保評価額で決まります。地価が下がると、金融機関は評価額を見直します。借入残高が新しい枠を超えると、超えた分の返済を求められる場合があります。

毎月利息だけ払っていればよいと思っていた人には、想定外の出費です。地価が下がりにくい都市部の物件ほど、この影響は小さいといえます。契約前に、評価の見直し頻度と、超過時の扱いを必ず確認してください。

リバースモーゲージとリースバックはどちらを選ぶべきか?

高齢で収入が少ない人は、不動産担保ローンの審査が厳しくなります。残る選択肢は、リバースモーゲージかリースバックです。似ているようで、「借りる」と「売る」という根本的な違いがあります。3つの軸で比べると、答えが見えてきます。

返済方法の違いで比較するとどうなるのか?

リバースモーゲージは借入です。生前は利息を払い、死後に元金を一括返済します。利息は固定資産税とあわせて、毎月の支出になります。

リースバックは売却です。返済はありません。代わりに家賃が発生します。家賃は近隣相場より高めに設定されることが多いです。買取価格に対する利回りで決まるからです。

項目 リバースモーゲージ リースバック
毎月の支出 利息のみ 家賃
固定資産税 自分が払う かからない
受け取る額 評価額の5〜7割の枠 相場の6〜7割の現金

相続・家族への影響で比較するとどうなるのか?

リバースモーゲージは、死後に家を売って返します。相続人は、家を受け取れません。売却額が残債を下回った場合、不足分を相続人が払う契約もあります。ノンリコース型なら、不足分の請求はありません。

リースバックは、すでに売却が済んでいます。相続の対象になりません。相続人同士で家の分け方を争う心配はなくなります。家を残したい気持ちがあるなら、どちらも向きません。その場合は、不動産担保ローンか、別の資金調達を考えてください。

年齢・目的別に向いている手段とは?

目的と年齢で整理すると、向き不向きがはっきりします。

状況 向いている方法
50代以下、収入あり、家は残したい 不動産担保ローン
60代以上、年金中心、住み続けたい リバースモーゲージ
年齢問わず、担保審査が通らない リースバック
住宅ローン残債を完済したい高齢者 リバースモーゲージまたはリースバック

リースバックは契約後の解約ができません。 国民生活センターも、賃貸期間が限られ住み続けられる保証がない点を注意喚起しています。最後の手段として位置づけてください。

公的制度で家を担保に借りる方法はあるのか?

民間だけが選択肢ではありません。公的な窓口でも、家を担保にした貸付があります。金利は民間より低めです。一方で、対象者や使いみちに条件があります。知らないまま高い金利で借りるのは、もったいないことです。

社会福祉協議会の不動産担保型生活資金とは?

各都道府県の社会福祉協議会が、生活福祉資金の一種として「不動産担保型生活資金」を扱っています。自宅を担保に、生活費を毎月貸し付ける制度です。リバースモーゲージの公的版と考えてください。

対象は、65歳以上の低所得世帯が中心です。土地の評価額に下限があり、同居家族の条件もあります。金利は年3%、または長期プライムレートのいずれか低い方とされています。申込は、お住まいの市区町村の社会福祉協議会です。生活保護を受ける前の段階で活用される制度です。

住宅金融支援機構のリ・バース60とは?

リ・バース60は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携したリバースモーゲージ型のローンです。対象は60歳以上です。使いみちは、住宅の建設、購入、リフォーム、住宅ローンの借り換えなどに限られます。

生活費には使えません。ここが一般的なリバースモーゲージとの違いです。ノンリコース型を選べば、死後に残債が出ても相続人に請求されません。老後に家を直したい、バリアフリー化したい人に合った制度です。

民間ローンとの金利・条件の違いとは?

公的制度と民間商品を並べると、違いが見えます。

項目 社協の不動産担保型生活資金 リ・バース60 民間リバースモーゲージ
対象年齢 原則65歳以上 60歳以上 55〜65歳以上
使いみち 生活費 住宅関連 商品による
金利 年3%以下 金融機関による 年2〜4%台
所得制限 あり なし なし

条件に合うなら、公的制度の方が有利です。まず社協に相談し、対象外なら民間へ。この順番が無駄のない動き方です。

家を担保に借りる前に確認すべきポイントとは?

申込ボタンを押す前に、立ち止まる時間を作ってください。3つの確認を済ませるだけで、後悔する確率は大きく下がります。どれも難しい作業ではありません。紙に書き出すだけで十分です。

借入目的と返済原資を整理する方法とは?

まず「何に、いくら必要か」を書きます。次に「毎月いくら、何年で返すか」を書きます。最後に「返すお金はどこから出るか」を書きます。給与、年金、家賃収入、事業の利益。原資がはっきりしない借入は危険です。

目的が「生活費の補てん」なら、借入より先に家計の見直しが必要です。借りても、同じ理由でまた足りなくなります。目的が一時的な出費で、返済原資が明確なら、担保ローンは合理的な手段です。

複数の金融機関で仮審査を受けるべき理由とは?

金融機関によって、評価額も金利も違います。同じ家で、借入可能額に数百万円の差が出ることもあります。仮審査なら、信用情報への影響は小さいです。2〜3社に出して比べてください。

比べる項目は、金利だけではありません。

  • 借入可能額
  • 金利の種類(固定か変動か)
  • 事務手数料と諸費用
  • 繰り上げ返済の手数料
  • 審査から入金までの日数

総返済額と手元に残る額で比較すると、本当に有利な1社がわかります。

家族・相続人に事前相談が必要な理由とは?

家は家族の資産でもあります。担保に入れたことを隠していると、相続のときに問題になります。リバースモーゲージでは、推定相続人の同意書を求める金融機関がほとんどです。

同意が取れないと、審査が進みません。配偶者が契約を引き継げるかどうかも、商品ごとに違います。契約者が先に亡くなったとき、残された配偶者が家を出なければならない商品もあります。家族全員で、契約内容を共有してください。

家を担保に借りるのをやめた方がいい人とは?

ここまでは「借りる」前提で進めてきました。ただ、借りない方がよい人も確実にいます。担保ローンは、返せなければ家を失います。やめた方がよい3つのケースを確認し、自分が当てはまらないか見てください。

返済計画が立たない状態で借りるとどうなるのか?

収入が不安定で、毎月の返済額が決められない。この状態で借りると、数か月後に延滞が始まります。延滞が続けば、競売です。家を失い、残債が残れば自己破産に進むこともあります。

「借りたお金で返済をしのぐ」発想は、最も危険です。すでに複数の借入があり、返済に追われているなら、先に専門家へ相談してください。弁護士や司法書士の債務整理相談は、初回無料のところが多いです。

売却した方が有利になるケースとは?

家を残す理由が薄いなら、売却の方が合理的な場合があります。普通に売れば、相場に近い価格で現金化できます。リースバックより手元に残る額は多いです。利息も家賃も払いません。

比較項目 通常の売却 担保ローン
受け取る額 相場どおり 評価額の6〜7割
毎月の支出 引っ越し先の家賃 利息と元金
家の維持費 なし 固定資産税、修繕費

広すぎる家に1人で住んでいる人は、売って小さな家に移る方が総支出が減ることも珍しくありません。

借入以外で資金を確保する選択肢とは?

家を担保にする前に、他の手段を一度洗い出してください。

  • 高額療養費制度、医療費の限度額適用認定
  • 介護施設の入居一時金が不要なプラン
  • 日本政策金融公庫の事業資金、教育ローン
  • 生命保険の契約者貸付
  • 自治体の生活福祉資金貸付

目的が明確なら、専用の制度の方が低金利です。担保ローンは、これらで足りない場合の手段と位置づけるのが順序です。

家を担保にお金を借りることに関するよくある質問

細かい疑問が残っているかもしれません。相談現場で多く寄せられる質問を5つ選びました。答えは金融機関で異なる部分もあります。最終的には、申込先の商品概要説明書で確認してください。

担保に入れた家に住み続けられますか?

住み続けられます。抵当権を設定しても、所有権はあなたのままです。引っ越す必要も、家賃を払う必要もありません。

住めなくなるのは、返済が滞って抵当権が実行されたときだけです。リースバックは所有権が移るので、賃貸契約の期間が終われば退去を求められる可能性があります。この違いは覚えておいてください。

自営業や無職でも借りられますか?

自営業は借りられます。確定申告書2〜3年分で収入を証明します。赤字が続いていると厳しくなります。

無職は、不動産担保ローンでは難しいです。返済原資がないからです。年金収入があれば、リバースモーゲージや社協の制度が候補になります。収入ゼロで家だけある場合は、リースバックか通常の売却が現実的です。

築年数が古い家やマンションでも担保になりますか?

古い家でも、土地に価値があれば担保になります。建物の評価はゼロでも、土地の評価で借入枠が出ます。地方で土地の評価が低いと、枠が出ないこともあります。

マンションは、金融機関によって対応が分かれます。築30年以上、旧耐震基準の物件は対象外とする金融機関が多いです。一方で、都心の駅近なら築古でも評価が出ます。仮審査で確認するのが早道です。

不動産担保ローンは総量規制の対象ですか?

対象外です。貸金業法の総量規制は、年収の3分の1を超える貸付を制限する決まりです。不動産担保ローンは、この規制の例外貸付に当たります。2026年10月時点でも、この扱いに変更はありません。

ただし、規制の対象外でも、返済能力の審査はあります。年収を超える借入ができるというだけで、返せる額が増えるわけではない点を忘れないでください。

途中で一括返済すると手数料はかかりますか?

かかる場合があります。繰り上げ返済手数料は、金融機関と商品で異なります。無料のところもあれば、残高の1〜3%を取るところもあります。

ノンバンクは手数料が高い傾向があります。短期で返す予定なら、手数料の有無で総コストが大きく変わります。契約前に、繰り上げ返済の条件を書面で確認してください。

まとめ

家を担保にお金を借りる方法は、不動産担保ローン、リバースモーゲージ、リースバックの3つです。選び方の軸は、年齢、収入、家を残したいかどうかです。借入上限は評価額の6〜7割、住宅ローン残債は差し引かれます。2026年は政策金利が年1.00%まで上がっており、変動金利を選ぶなら、金利が2%上がっても返せる計画にしておくことが条件になります。

今日できる行動は2つです。1つは、法務局で登記事項証明書を取り、抵当権の順位と金額を確認すること。もう1つは、住宅ローンの返済予定表で残債を確認することです。この2枚があれば、仮審査に進めます。65歳以上で収入が少ないなら、先に市区町村の社会福祉協議会へ相談してください。民間より低い金利で借りられる可能性があります。担保ローンの相談は、ファイナンシャルプランナーや司法書士の無料相談でも受け付けています。契約書に判を押す前に、第三者の目を1度通しておくと安心です。

参考文献

  • 「土地や家を担保にお金を借りるには?不動産担保ローンのメリット・デメリット」- りそな銀行
  • 「リースバックとは「自宅を売却し借りなおす(セールアンドリースバック)」こと」- りそな銀行
  • 「不動産担保ローンの金利ランキング」- イー・ローン
  • 「不動産を活用した資金調達方法には何がある?」- イー・ローン
  • 「不動産担保型生活資金」- 東京都福祉局・東京都社会福祉協議会
  • 「見守り新鮮情報 第453号(リースバック)」- 国民生活センター
  • 「住宅のリースバックに関するガイドブック」- 国土交通省
  • 「リ・バース60」- 住宅金融支援機構
  • 「金融政策決定会合」- 日本銀行
  • 「貸金業法Q&A(総量規制の除外・例外貸付)」- 金融庁